ノンエンジニアのClaude Code奮闘記 #3 VS Code版を入れて、地獄のダウンロードフォルダを救出してみた
-
Etsuko Mera - 07 May, 2026
はじめに
こんにちは、広報・制作担当のmeraです。 #1 インストール編で土台を整え、#2 プライバシー設定編で気持ちの安全を確保した私は、ようやく「何かに使ってみたい」というフェーズに来ました。
そこで思い出したのが、私の最大の弱点です。
「ダウンロードフォルダ、入社してから一度も整理してなくない……?」
恐る恐る開いてみると、そこには1.5GBほどの、なかなかの混沌絵巻。
スクリーンショット200枚以上、誰から送られてきたか思い出せないPDF、ダウンロードしてそのままのZIP、業務で使ったデザイン素材、なぜか落ちているよく分からないDMG、もう使う予定のない Resume_final_FINAL_v3.docx。
たった1ヶ月でこの量。AIに頼ろう。 というわけで第3回は、Claude Code for VS Code(Claude CodeのVS Code拡張) を導入し、ダウンロードフォルダを救出する話です。
この記事で学べること
- VS Codeに「Claude Code for VS Code」拡張を入れる流れ
- ノンエンジニアが、AIに「整理して」とお願いするときのコツ
- 機密ファイルを誤って動かさないための事前ルール作り
- 巻末に、すぐ真似できる手順サマリー
第1幕: 入社1ヶ月、「整理しよう」を見て見ぬふりしてきた…
正直に告白します。 私のダウンロードフォルダは、入社からの1ヶ月、「気が向いたときに整理しよう」と思いつつ、そのまま放置した結果です。 ファイル数 約420個。サイズは 1.5GB。新しい職場のペースに慣れるので精一杯で、ストレージのことなんてすっかり忘れていました。
普通の整理術の本を読むと、「フォルダを分けて、定期的に見直そう」と書いてあります。 正論。完全に正論。なのですが、ファイル420個を1つずつ見て分類する元気は、いまの私にはないのです。
そこで、Claude Codeに頼みます。 ただし、いきなり「全部やって」と言うのは怖いので、目で進捗を見ながら確認できるVS Code拡張を使うことにしました。
第2幕: Claude Code for VS Code を入れる
VS Codeはすでに入れてあったので、拡張機能のインストールはとてもシンプルでした。
- VS Codeの左サイドバーから、拡張機能(Extensions) のアイコンを開く
- 検索窓に「Claude Code」と入力
- Anthropic が提供している「Claude Code」を選んで Install
- インストール後、左サイドバーにClaude Codeのアイコンが追加される
ここでなぜか少し緊張しました。 それは、「拡張機能を入れる」という行為そのものに対してではなく、「いよいよ私が、コードを書く人と同じ画面に踏み込む」という気持ちの問題でした。
でも、入れてしまえばあとはこっちのもの。 サイドバーから Claude のアイコンをクリック → ログイン状態を確認 → チャット欄が現れる。 ここに、お願いを書き込んでいきます。
拡張機能版のいいところは、 ファイルツリーを目で見ながらチャットできる こと。「このファイル動かして」とドラッグ&ドロップ感覚で会話できるのが、ノンエンジニアにはありがたい。
第3幕: いきなり「整理して」と言わない
ここでハマりがちなのが、いきなり「ダウンロードフォルダを整理してください」と一言で投げてしまうこと。 これをやると、AIは「全部開いて、勝手に分類して、勝手に動かす」という、こちらの想像とズレた動きをすることがあります。
私が選んだ手順は、「会議のように、まず方針を決める」 でした。
VS Codeで、ダウンロードフォルダ(~/Downloads/)を開き、Claude Codeのチャット欄にこう打ちました。
ダウンロードフォルダの整理を手伝ってほしいです。 いきなり動かさず、まずは中にどんな種類のファイルがどれくらいあるかを、ざっくり集計して教えてください。 機密性が高そうなファイル(契約書、源泉徴収票、社内資料など)は、絶対に勝手に動かさないでください。
数秒後、Claude Codeはターミナル風の表示でフォルダを覗き込み、こんな返事をくれました(要約しています)。
| カテゴリ | だいたいの数 | 備考 |
|---|---|---|
| 画像(png/jpg/heic) | 約280 | 9割がスクリーンショット |
| 約40 | 業務資料・参考記事が混在 | |
| ZIP | 約12 | フォント、素材、配布物 |
| インストーラ(dmg/pkg) | 約8 | 業務で使うアプリ類 |
| 動画(mp4/mov) | 約8 | 撮影素材と画面録画 |
| Officeファイル(docx/xlsx/pptx) | 約25 | 個人/業務 混在 |
| そのほか | 残り | csv、テキスト、ai、psd、etc. |
このリストを見たとき、初めて自分のダウンロードフォルダがどんな状態かを客観視できました。 これだけでも、整理の作戦が立てられる。「現状把握」って、こんなに価値があるんだとしみじみ。
第4幕: 「触ってOKなもの」と「触ってほしくないもの」を線引きする
私はここで、CLAUDE.md をダウンロードフォルダに置き、ルールを書きました(ファイル名やフォルダ名は仮のものです)。
# CLAUDE.md(ダウンロードフォルダ整理ルール)
## ゴール
- ~/Downloads/ の中身を、用途別フォルダに分けて整理する
- ファイル名にだけ頼らず、可能な範囲で中身も判断材料にする
- 100MB以上の大きなファイルは「アーカイブ候補」として一覧化する
## 触ってOKなもの
- 画像(.png .jpg .jpeg .heic)
- ZIP / DMG / PKG(古いインストーラ)
- 一般的な配布素材(配布物だと明らかなもの)
## 動かす前に必ず確認するもの
- PDF全般(中身を要約してから判断)
- 「請求書」「領収書」「契約」「源泉」などの語を含むファイル
- 取引先名や個人名を含むファイル
## 絶対に動かさない・開かないもの
- ファイル名に「機密」「社外秘」「NDA」を含むファイル
- 拡張子が .keychain / .key / .p12 のファイル
- 隠しファイル(. から始まるファイル)
## 出力先のフォルダ構成(これを新規作成してOK)
- ~/Downloads/*整理済み/01*画像/
- ~/Downloads/*整理済み/02_PDF*業務/
- ~/Downloads/*整理済み/03_PDF*個人/
- ~/Downloads/*整理済み/04*インストーラ/
- ~/Downloads/*整理済み/05*素材ZIP/
- ~/Downloads/*整理済み/99*要確認/
このルールをチャットに渡してから、「まずは画像だけ動かしてみてください」とお願いしました。 1カテゴリずつ進めるのがコツです。これは仕事と同じで、「全部一気に」を避けると失敗が激減します。
ここでの最大のポイントは 「動かす前に、まず提案を出してもらう」 ことです。Claude Codeに「こう動かしますがいいですか?」と聞いてもらってから、「はい、お願いします」と返す流れにしておくと、誤爆がほぼなくなります。
第5幕: 動き出すAI、見守る私
画像の移動は、スクリプトをClaude Codeが書き、私が中身を読んで承認したうえで実行する形になりました。 スクリプトと言うと身構えますが、要するに「これとこれをここに動かしますよ」というレシピです。
実際の流れは、こんな感じでした。
- Claude Codeが
move_images.shのような短いスクリプトを書く - 私が中身を読む(知らないコマンドが出てきたら、その場で意味を聞く)
- 「OK」と返事をする
- 実行され、画像280枚ほどが
01_画像/フォルダに移動する - 移動後、ダウンロードフォルダ直下が一気に静かになる
VS Codeのファイルツリーが、目に見えてスッキリしていきます。 自分でやったら半日かかる作業が、10分で終わりました。
PDFについては、Claude Codeに1ファイルずつ要約してもらいながら、
- 請求書 →
02_PDF_業務/ - 個人の保険資料 →
03_PDF_個人/ - 中身が業務NDA系っぽい → 動かさず
99_要確認/にメモだけ残す
という判断を、二人三脚で進めました。
判断に迷うものは、全部 99_要確認/ に逃がすのが結果的に一番ラクでした。完璧主義を捨てるのも、AIと付き合うコツかもしれません。
第6幕: アーカイブと、これからの運用
整理が終わったあと、Claude Codeに最後の仕事を頼みました。
100MB以上のファイルがあれば、
_archive_候補.mdというファイルにリストアップしてください。 リストには「ファイル名」「サイズ」「ダウンロード日」を入れてください。
数秒で、移行候補リストが出来上がりました。 私はそれを眺めて、外付けSSDに移すものと、もう削除していいものを仕分け。 「捨てる」を一気にやらず、まずは「外に置く」を経由するのが、心理的にも安全でした。
最終的に、ダウンロードフォルダはこんな状態になりました。
| 指標 | 整理前 | 整理後 |
|---|---|---|
| ファイル数 | 約420 | 直下: 0 / 整理済み配下: 約420(分類済み) |
| 容量 | 1.5GB | 0.4GB(残りはアーカイブ候補に隔離) |
| 「いま何が入ってる?」 | 分からない | 1コマンドで一覧化できる |
| 心の重さ | 1kg | 0.1kg |
1ヶ月分のモヤモヤが、ほぼ消えました。
ノンエンジニアの私が学んだこと
ここまでやってみて、いちばん大事だと感じたのは技術ではありません。
- AIに「整理してくれ」と丸投げしない
- 「ルール」と「ゴール」と「触っちゃダメなもの」を、文章で先に渡す
- 1カテゴリずつ、提案 → 承認 → 実行で進める
- 判断に迷うものは、その場で決めず「要確認」フォルダに退避
- 完璧を目指さず、80点で十分とする
つまり、AIをマネジメントする力こそが、ノンエンジニアの私たちが磨ける武器なんだと思いました。 コードを書けなくても、 「やってほしいこと」と「絶対にやってほしくないこと」 を言葉にできる人は、AIをすごく上手に使えます。それは、まさに広報・制作の現場で日々鍛えてきた力でもあります。
まとめ
- Claude Code for VS Codeは、ファイルツリーを見ながら会話できるのでノンエンジニア向き
- いきなり整理させず、まず現状把握を依頼するのが鉄則
CLAUDE.mdでルール・ゴール・禁止事項を先に渡すと事故が減る- 1カテゴリずつ、提案 → 承認 → 実行で進める
- 迷うものは
99_要確認/に逃がし、判断は人間が後でまとめてやる - 整理後は、アクセス頻度や容量で自動的に「アーカイブ候補リスト」 を作ってもらう
1ヶ月放置していたフォルダが、半日もかからず生まれ変わりました。 「自分の苦手」を、AIにそっと預けられるようになると、仕事も生活もずいぶん軽くなります。
巻末:ダウンロードフォルダ整理 手順サマリー
ここからは、自分でやってみたい方のための再現手順です。 ※環境は MacBook Pro / Claude Pro契約 / VS Code を前提にしています。
Step 0: 準備
Step 1: VS Code拡張のインストール
- VS Codeを開く
- 左サイドバーの 拡張機能(Extensions) を開く
- 検索窓に「Claude Code」と入力
- Anthropic製の「Claude Code」拡張をインストール
- サイドバーに表示されたClaude Codeアイコンをクリックし、ログイン状態を確認
Step 2: ダウンロードフォルダをVS Codeで開く
- VS Codeのメニューから File → Open Folder… を選ぶ
~/Downloads/を選択して開く- ファイルツリーに大量のファイルが現れることを覚悟する
Step 3: ルールファイル CLAUDE.md を作る
- ダウンロードフォルダ直下に
CLAUDE.mdを新規作成 - 「ゴール」「触ってOK」「動かす前に確認」「絶対に動かさない」「出力先フォルダ構成」を書く
- 触らせたくないファイル名・拡張子・ディレクトリを必ず明記
Step 4: まず「現状把握」だけを依頼
Claude Codeのチャット欄に、以下のような依頼を投げる。
ダウンロードフォルダの中身を、種類ごとにざっくり集計してください。
ファイルは絶対に動かさず、まずはレポートだけお願いします。
Step 5: カテゴリ別に「提案 → 承認 → 実行」で進める
各カテゴリについて、以下の流れを繰り返す。
- 「画像だけ整理したいです。動かす前に、提案を出してください」
- 提案された移動先・スクリプトの内容を確認する
- 「OK、お願いします」と返事して実行
- 完了後、VS Codeのファイルツリーで結果を確認
Step 6: 迷ったら「要確認フォルダ」に退避
判断に迷うファイルは、すべて _整理済み/99_要確認/ に移動するよう依頼。
人間の判断は、まとめて後日やる。
Step 7: アーカイブ候補リストを作ってもらう
100MB以上のファイルを `_archive_候補.md` に書き出してください。
ファイル名・サイズ・ダウンロード日を含めてください。
候補リストを見て、外付けSSDに移すか・削除するかを人間が判断。
Step 8: 仕上げ
- ダウンロードフォルダ直下のファイル数を確認(理想は0)
CLAUDE.mdを更新して、今後の運用ルールを書き残す- 「次回からは月1回、軽く整理しようね」と自分に約束する