ノンエンジニアのClaude Code奮闘記 #4 「やって」しか言えなかった私が、細かく頼めるようになるまで
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Etsuko Mera - 03 Jun, 2026
はじめに
こんにちは、広報・制作担当のmeraです。
#3 ダウンロードフォルダ整理編を書いてから、Claude Codeをほぼ毎日使うようになりました。 インストールもできた、プライバシー設定も確認した、フォルダも片付いた。 「よし、次は仕事に使うぞ」と意気込んで、いざClaude Codeに向かうと——
「……なんて頼めばいいんだ?」
という壁に、静かにぶつかりました。
「やって」「書いて」「整理して」。それ以上の言葉が出てこない。 結果、Claudeから帰ってくるのはものすごく汎用的な回答で、「いや、そうじゃなくて……」とモヤモヤが残る。
この記事は、そこから少しずつ「うまいお願いの仕方」を身につけていった過程の記録です。 プログラマーが言うような「プロンプトエンジニアリング」の話ではなく、広報・制作の現場で使えるレベルの、等身大のお願い術です。
この記事で学べること
- 「ざっくりお願い」が失敗しやすい理由
- 「条件・禁止・形式」の3点セットで頼む習慣
- 実際の失敗プロンプト→改善版の対比
- 「まずレポートだけ」「提案してから動いて」の2フレーズ
なぜ「やって」だと思い通りにならないのか
Claude Codeは、曖昧な指示でも「なんとかしようとする」AIです。 「整理して」と言えば整理する、「書いて」と言えば書く。
でも、この「なんとかしようとする」が、実は曲者でした。
私が「整理して」と言ったとき、Claudeには次の情報が足りていない。
- 何を基準に整理するのか(日付? 種類? 用途?)
- どこに移すのか(新しいフォルダ? 既存の構造に合わせる?)
- 動かしていいファイルと、触ってほしくないファイルの区別
- 最終的にどんな状態になっていれば「完成」なのか
この情報がない状態で「整理して」と言うと、Claudeは自分なりの解釈で動き始めます。 それが私の想像とズレていたとき、「なんか違う……」が生まれる。
転換点になった気づき:「条件・禁止・形式」の3点セット
試行錯誤しているうちに、私は「うまいお願い」には3つの要素が入っていることに気づきました。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 条件 | どんな状態にしたいか | 「ファイル名を日付_内容.拡張子の形式に揃えたい」 |
| 禁止 | やってほしくないこと | 「画像ファイルは移動しないで」「元のファイル名は変えないで」 |
| 形式 | 結果の見た目や出力の型 | 「変更内容の一覧を表で出して」「実行前にコマンドを提示して」 |
この3点が揃っていると、Claudeの返答が一気に使えるものになりました。
逆に言うと、「モヤモヤする結果が返ってきたとき」は、たいていこの3つのどれかが抜けていました。
失敗と改善の記録 ——実際のやり取りを振り返る
ケース1: SNS用の投稿文を作りたかった
失敗バージョン
このブログ記事をSNS用に短くして
→ Claudeが返してきたのは、記事の要点を箇条書きにしただけのもの。 「短く」を文字数圧縮と解釈したらしく、SNS投稿としての空気感がまったくなかった。
改善バージョン
このブログ記事をもとに、Twitterに投稿する文を書いてください。
条件:
- 140文字以内
- 「〜してみた」という体験談の口調
- ハッシュタグを2〜3個末尾に付ける
- URLの置き場所は末尾に [URL] と書いておいてください
禁止:
- 箇条書きにしない
- 「〜です/ます調」は避けて、カジュアルに
→ 一発で使えるものが出てきました。 「条件」に「口調」を書いたのがポイントでした。フォーマットより、空気感を指定することが大事だった。
ケース2: 画像ファイルの整理を頼んだら消えそうになった
失敗バージョン
デスクトップの画像をまとめて
→ Claudeが「画像」と判断した範囲が私の想定より広くて、スクリーンショットも制作中のPSDも同じ扱いになりかけた。 危なかった。
改善バージョン
デスクトップにあるPNG・JPGファイルのうち、ファイル名に「スクリーンショット」「Screenshot」が含まれるものだけを
~/Desktop/スクリーンショット整理/ フォルダに移動してください。
禁止:
- PSD・AI・PDF は絶対に動かさない
- 上記フォルダがなければ作ってから移動
- 実行前に「移動するファイル一覧」を確認させてください
→ 実行前にリストが出てきて、目で確認してから「OK」と返す流れになりました。 「実行前に確認させて」 は、今でも必ず入れるフレーズです。
ケース3: 議事録のまとめ方が毎回バラバラ
失敗バージョン
この議事録をまとめて
→ 毎回フォーマットが違う。ある日は箇条書き、ある日はセクション分け。使いにくい。
改善バージョン
この議事録を以下の形式でまとめてください。
## 形式
- **日時・参加者**:1行で
- **決定事項**:番号つきリスト(各1〜2行)
- **TODO**:担当者名と期限を明示して表形式
- **次回の議題候補**:箇条書き
禁止:
- 上記以外のセクションを追加しない
- 感想・コメントは入れない
- 「〜と思います」など推測表現を使わない
→ 毎回同じ形式で出てくるようになりました。
この指示は CLAUDE.md にコピペして、議事録フォルダでは常に有効にしています。
特に効いた2つのフレーズ
試行錯誤を重ねて、「これは必ず使う」という2フレーズが生まれました。
フレーズ1:「まずレポートだけ出してください。実行はしないで。」
何かをお願いするとき、いきなり実行させると後戻りが大変です。 このフレーズを入れると、Claudeは「どうするつもりか」を先に言葉で説明してくれる。 それを確認してから「OK、進めて」と言う流れを作ると、事故が激減しました。
フレーズ2:「〇〇は絶対に触らないでください。」
「禁止事項」は、遠慮なく明確に書く方がいい。 「できれば避けて」「なるべく触らないで」という曖昧な書き方は、Claudeに伝わりにくい。 「絶対に」「〜は除外する」「〜はスコープ外」など、断定的な言い方にしたほうが、意図が通りやすいです。
「聞き返してもらう」も立派なお願い術
もうひとつ、使えると気づいたのが「足りない情報があったら聞き返してください」という一文です。
長い指示を書くのが面倒なとき、私はよくこれを使います。
このフォルダの画像を整理したいです。
情報が足りなければ、作業の前に質問してください。
こう書いておくと、Claudeが「どの形式に揃えたいですか?」「移動先のフォルダ名はありますか?」と聞いてきてくれます。 対話しながらゴールを決めていける感覚は、思った以上に快適でした。
振り返ると、変わったのは「言語化の習慣」だった
3週間くらい試行錯誤していると、不思議なことが起きてきました。
Claude Codeに頼む前に、自分の中で「えーと、条件は……禁止は……形式は……」と整理するようになったのです。 これが仕事の他の場面にも波及して、後輩に仕事を振るときや、上司に相談するときの伝え方が変わった気がします。
AIへのお願いを鍛えたら、人間へのコミュニケーションが上手くなった——というのは、少し予想外の副産物でした。
まとめ
- 「やって」だけだと、Claudeは自分の解釈で動く。それはAIのせいでも自分のせいでもない
- 条件・禁止・形式の3点セットで頼むと、結果がぐっと使いやすくなる
- 「実行前に確認させて」「絶対に触らないで」の2フレーズは魔法
- 「足りなければ質問して」で、対話しながらゴールを決めることもできる
- うまくいった指示は、どこかに保存して再利用する
「プロンプトを書く」というより、「依頼文を丁寧に書く」という感覚で捉え直したら、途端に親しみやすくなりました。
次回は、「Claude CodeのCLI版・VS Code拡張・Coworkアプリ、どれを使えばいいの?」問題を整理します。同じClaude Codeなのに、これほど使い心地が違うとは……という話です。
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