ノンエンジニアのClaude Code奮闘記 #4 「やって」しか言えなかった私が、細かく頼めるようになるまで

ノンエンジニアのClaude Code奮闘記 #4 「やって」しか言えなかった私が、細かく頼めるようになるまで

はじめに

こんにちは、広報・制作担当のmeraです。

#3 ダウンロードフォルダ整理編を書いてから、Claude Codeをほぼ毎日使うようになりました。 インストールもできた、プライバシー設定も確認した、フォルダも片付いた。 「よし、次は仕事に使うぞ」と意気込んで、いざClaude Codeに向かうと——

「……なんて頼めばいいんだ?」

という壁に、静かにぶつかりました。

「やって」「書いて」「整理して」。それ以上の言葉が出てこない。 結果、Claudeから帰ってくるのはものすごく汎用的な回答で、「いや、そうじゃなくて……」とモヤモヤが残る。

この記事は、そこから少しずつ「うまいお願いの仕方」を身につけていった過程の記録です。 プログラマーが言うような「プロンプトエンジニアリング」の話ではなく、広報・制作の現場で使えるレベルの、等身大のお願い術です。

この記事は体験記なので、完璧な正解を提示するものではありません。「こういう失敗をして、こう直したら良くなった」という記録として読んでもらえると嬉しいです。

この記事で学べること

  • 「ざっくりお願い」が失敗しやすい理由
  • 「条件・禁止・形式」の3点セットで頼む習慣
  • 実際の失敗プロンプト→改善版の対比
  • 「まずレポートだけ」「提案してから動いて」の2フレーズ

なぜ「やって」だと思い通りにならないのか

Claude Codeは、曖昧な指示でも「なんとかしようとする」AIです。 「整理して」と言えば整理する、「書いて」と言えば書く。

でも、この「なんとかしようとする」が、実は曲者でした。

私が「整理して」と言ったとき、Claudeには次の情報が足りていない。

  • 何を基準に整理するのか(日付? 種類? 用途?)
  • どこに移すのか(新しいフォルダ? 既存の構造に合わせる?)
  • 動かしていいファイルと、触ってほしくないファイルの区別
  • 最終的にどんな状態になっていれば「完成」なのか

この情報がない状態で「整理して」と言うと、Claudeは自分なりの解釈で動き始めます。 それが私の想像とズレていたとき、「なんか違う……」が生まれる。

相手がAIでも人間でも、「お願いのうまさ」は変わらない気がします。後輩に仕事を頼むとき、「あとよろしく」だとやり直しが多いのと同じ原理でした。

転換点になった気づき:「条件・禁止・形式」の3点セット

試行錯誤しているうちに、私は「うまいお願い」には3つの要素が入っていることに気づきました。

要素内容
条件どんな状態にしたいか「ファイル名を日付_内容.拡張子の形式に揃えたい」
禁止やってほしくないこと「画像ファイルは移動しないで」「元のファイル名は変えないで」
形式結果の見た目や出力の型「変更内容の一覧を表で出して」「実行前にコマンドを提示して」

この3点が揃っていると、Claudeの返答が一気に使えるものになりました。

逆に言うと、「モヤモヤする結果が返ってきたとき」は、たいていこの3つのどれかが抜けていました。


失敗と改善の記録 ——実際のやり取りを振り返る

ケース1: SNS用の投稿文を作りたかった

失敗バージョン

このブログ記事をSNS用に短くして

→ Claudeが返してきたのは、記事の要点を箇条書きにしただけのもの。 「短く」を文字数圧縮と解釈したらしく、SNS投稿としての空気感がまったくなかった。

改善バージョン

このブログ記事をもとに、Twitterに投稿する文を書いてください。
条件:
- 140文字以内
- 「〜してみた」という体験談の口調
- ハッシュタグを2〜3個末尾に付ける
- URLの置き場所は末尾に [URL] と書いておいてください
禁止:
- 箇条書きにしない
- 「〜です/ます調」は避けて、カジュアルに

→ 一発で使えるものが出てきました。 「条件」に「口調」を書いたのがポイントでした。フォーマットより、空気感を指定することが大事だった。


ケース2: 画像ファイルの整理を頼んだら消えそうになった

失敗バージョン

デスクトップの画像をまとめて

→ Claudeが「画像」と判断した範囲が私の想定より広くて、スクリーンショットも制作中のPSDも同じ扱いになりかけた。 危なかった。

改善バージョン

デスクトップにあるPNG・JPGファイルのうち、ファイル名に「スクリーンショット」「Screenshot」が含まれるものだけを
~/Desktop/スクリーンショット整理/ フォルダに移動してください。

禁止:
- PSD・AI・PDF は絶対に動かさない
- 上記フォルダがなければ作ってから移動
- 実行前に「移動するファイル一覧」を確認させてください

→ 実行前にリストが出てきて、目で確認してから「OK」と返す流れになりました。 「実行前に確認させて」 は、今でも必ず入れるフレーズです。


ケース3: 議事録のまとめ方が毎回バラバラ

失敗バージョン

この議事録をまとめて

→ 毎回フォーマットが違う。ある日は箇条書き、ある日はセクション分け。使いにくい。

改善バージョン

この議事録を以下の形式でまとめてください。

## 形式
- **日時・参加者**:1行で
- **決定事項**:番号つきリスト(各1〜2行)
- **TODO**:担当者名と期限を明示して表形式
- **次回の議題候補**:箇条書き

禁止:
- 上記以外のセクションを追加しない
- 感想・コメントは入れない
- 「〜と思います」など推測表現を使わない

→ 毎回同じ形式で出てくるようになりました。 この指示は CLAUDE.md にコピペして、議事録フォルダでは常に有効にしています。

「毎回同じ出力にしたい」という要求は、お願いの中に「形式」を書くか、`CLAUDE.md` に残しておくか、どちらかで解決できます。一度うまくいったフォーマットは、どこかに保存しておくと何度でも使い回せます。

特に効いた2つのフレーズ

試行錯誤を重ねて、「これは必ず使う」という2フレーズが生まれました。

フレーズ1:「まずレポートだけ出してください。実行はしないで。」

何かをお願いするとき、いきなり実行させると後戻りが大変です。 このフレーズを入れると、Claudeは「どうするつもりか」を先に言葉で説明してくれる。 それを確認してから「OK、進めて」と言う流れを作ると、事故が激減しました。

フレーズ2:「〇〇は絶対に触らないでください。」

「禁止事項」は、遠慮なく明確に書く方がいい。 「できれば避けて」「なるべく触らないで」という曖昧な書き方は、Claudeに伝わりにくい。 「絶対に」「〜は除外する」「〜はスコープ外」など、断定的な言い方にしたほうが、意図が通りやすいです。


「聞き返してもらう」も立派なお願い術

もうひとつ、使えると気づいたのが「足りない情報があったら聞き返してください」という一文です。

長い指示を書くのが面倒なとき、私はよくこれを使います。

このフォルダの画像を整理したいです。
情報が足りなければ、作業の前に質問してください。

こう書いておくと、Claudeが「どの形式に揃えたいですか?」「移動先のフォルダ名はありますか?」と聞いてきてくれます。 対話しながらゴールを決めていける感覚は、思った以上に快適でした。

「全部自分で仕様を決めてから頼む」必要はありません。迷っているうちに答えが出ることもある。「一緒に考えながら決める」という使い方も、十分アリです。

振り返ると、変わったのは「言語化の習慣」だった

3週間くらい試行錯誤していると、不思議なことが起きてきました。

Claude Codeに頼む前に、自分の中で「えーと、条件は……禁止は……形式は……」と整理するようになったのです。 これが仕事の他の場面にも波及して、後輩に仕事を振るときや、上司に相談するときの伝え方が変わった気がします。

AIへのお願いを鍛えたら、人間へのコミュニケーションが上手くなった——というのは、少し予想外の副産物でした。


まとめ

  • 「やって」だけだと、Claudeは自分の解釈で動く。それはAIのせいでも自分のせいでもない
  • 条件・禁止・形式の3点セットで頼むと、結果がぐっと使いやすくなる
  • 「実行前に確認させて」「絶対に触らないで」の2フレーズは魔法
  • 「足りなければ質問して」で、対話しながらゴールを決めることもできる
  • うまくいった指示は、どこかに保存して再利用する

「プロンプトを書く」というより、「依頼文を丁寧に書く」という感覚で捉え直したら、途端に親しみやすくなりました。

次回は、「Claude CodeのCLI版・VS Code拡張・Coworkアプリ、どれを使えばいいの?」問題を整理します。同じClaude Codeなのに、これほど使い心地が違うとは……という話です。


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参考文献・出典