デイヴィッド・イーグルマン氏の「意識は傍観者である」について解説します。
本の紹介
- 意識は傍観者である~脳の知られざる営み~
- デイヴィッド・イーグルマン著 大田直子訳
- 早川書房
意識的に行っているのではなく、脳の活動を傍観しているだけ
- 私たちが行動したり考えたりすることの大半は、私たちの意識の支配下にはない。意識は、脳内で生じているもののほんの小さなかけらに過ぎない。
- 脳は、ほとんど自動操縦で動いており、意識は、遠い外れから脳の活動を傍観しているにすぎない。
意識は、会社のCEOであり、問題のある時だけ働く
- 意識は、自動化されたエイリアン・システムを制御する、そして制御を分配するために存在する。意識は、会社のCEOであり、高いレベルの方向性を決めて、新しい仕事を割り当てる。CEOは眠っていられる。何かがうまくいかなくなったときだけ、CEOが起こされる。世の中の出来事があなたの予想を裏切るような状況で起こされる。
- 認知機能には柔軟性がない。特定の効率的なプログラムは備えているが、思いがけない新たな仕事に対応するために、すばやく切り替える仕組みが必要。その時に意識が働く。
意識レベルは、知的柔軟性の度合いを表す
- 意識は、全か無ではなく、段階的に生じるものであり、その意識レベルは、その知的柔軟性の度合いに対応している。
- 意識があるかどうかの指標は、自動化されたエイリアン・システムをうまく仲裁できる能力があるかどうか。うまく調整を行い、喜びを先延ばしにして、新しいプログラムを習得できる動物ほど意識度は高い、つまり知的柔軟性が高いと言える。