意識のハードプロブレム、哲学的ゾンビついて説明します。
意識のハードプロブレムとは?
- オーストラリアの哲学者のデイヴィッド・チャーマーズによって提起
- 意識は、その人だけの体験であり、その主観的体験というその性質がゆえに、外からは確認できない問題
- 意識は、科学の範疇の外にある。科学では意識に迫れないということを婉曲に表現している
- 対となる概念として、脳における意識を伴う情報処理の物理的過程のみを扱う問題を、意識のイージープロブレムと言う。
哲学的ゾンビ
- チャーマーズは、意識のハードプロブレムの思考実験として、「哲学的ゾンビ」を考案。
- ゾンビが住む世界を想像してみてください。ゾンビと言えば、腐った体、抜け落ちた足、よたよた歩きをしながら、こちらに近づいてくる様子が想像できますが、彼らの外見は、普通の人間とまったく同じです。仕事があり、家族があり、遊びに行きます。「本物の」人間との唯一の違いは、実際に考えているのではなく、考えているように見えるだけだという点です。意識を持っているようにみえますが、実際には持っていません。針でつつくと「イタイ」と叫びますが、実際には彼らには痛みなどまったく感じていません。
- 彼らと本物の人間の違いは、どうしたら判るのか。 客観的な視点では違いが判らない。