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情動と感情

「情動」と「感情」の違いについて説明します。

情動(Emotions)とは?

  • 瞬間的で自発的に生じる反応であり、身体の反応を伴うことが多い。例えば、驚きや恐怖を感じると、心拍が上がったり、汗をかいたりといった生理的な変化が起こることがある。
  • 情動は、外部の刺激や出来事によって引き起こされやすく、その反応は短期的
  • 情動は、脳の古い部分(例えば扁桃体)で処理されるため、ほとんど反射的に起こることが多い
  • 一般に、生物的側面、行動的側面、臨床的側面に焦点があてられる場合は、「情動」が使用される

感情(Feelings)とは?

  • 情動を知覚し、その意味を認識することによって形成される、より主観的で持続的な心理状態
  • 感情は、情動に対する意識的な認識と解釈によって生まれ、そのため個人差が大きく、時間が経っても長く続くことがある。例えば、友人と口論になったときに生じる「怒り」といった情動は、しばらくすると落ち着くが、その後に生まれる「悲しい」「寂しい」といった感情は長引くことがあり得る
  • 一般に、認知的側面、社会文化的側面に言及する場合は、「感情」が使用される

情動と感情の違いは?

  • 発生の瞬間性:情動は瞬間的・反射的、感情は意識的・持続的。
  • 生理的反応:情動は身体的反応を伴いやすいが、感情は内的な心理的状態が多い。
  • 認識の関与:情動は無意識の反応、感情はその反応を意識的に解釈した結果として現れる。

情動はより原始的で即時的な反応であるのに対し、感情はその反応を認識・解釈することで生じる、より複雑で持続的なものと言える。

参考文献

「動機づけと情動」 今田純雄・北口勝也 培風館

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