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動機づけ

現代心理学における「動機づけ」について説明します。

動機づけとは?

  • 人が行動を起こし、それを維持し、特定の目標に向かって行動を続けるための内的・外的な要因やプロセス
  • 人間の行動の背景にある重要な要素であり、学習やパフォーマンス、日常の生活習慣に大きな影響を与える
  • 心理学の世界では、生物的動機、内発的動機、社会的動機の3つに分けて、研究が行われてきた。

生物的動機

  • 生物的動機は、生物個体がその生存を維持していく上で必須のもの(空気、水、食物、冷暖、安全など)の獲得を目標とする行動を動機づける。
  • 生物的必要は、個体内部の生理変化と直結している。例えば、体温が上昇し始めると、身体は、汗腺を開くなどして体温を下げようとする。体温を下げたいという動機が喚起される。
  • 食行動、摂水行動、体温維持行動、防御行動、攻撃行動、性行動、養育行動などが挙げられる。

内発的動機

  • 自らの興味、関心、好奇心によって駆り立てられる行動を支える動機
  • これに対して、個人にとって外在的報酬を求めて行動する際の動機を、外発的動機と呼ぶ。
  • 内発的動機には、感覚動機、好奇動機などがある。

感覚動機

  • 人間には、「何か刺激がほしい。何かを見たい。何かを聞きたい。」という動機
  • 行動そのものが持つ感覚的な体験や快楽に関連している。例えば、ジェットコースターに乗ってスリルを楽しむことや、音楽を聴いて感動を得ることが該当。

好奇動機

  • 複雑さ、急激な変化、不一致など新奇なものを求めて行動を引き起こす動機
  • 人が新しい情報や体験を求めて探索しようとする動機。これは、未知のものに対する興味や関心から生まれる内発的動機づけの一種

社会的動機

  • 個体としての動機づけではなく、社会生活の過程において他者と関わろうとする動機
  • 社会的動機には、親和動機、達成動機などがある。

親和動機

  • 人が他者との関係を築き、維持し、社会的なつながりを求める動機。これは、他者と親しい関係を持ちたい、理解されたい、受け入れられたいという欲求によって駆動される
  • 例えば、職場の同僚との関係などの人間関係を良好なものにしたいという動機

達成動機

  • ある目標を立て、それを高い水準で完遂したいという動機
  • 目標を達成するために努力しようとする内的な動機。これは、自己の能力を試し、成長し、成功を収めることで満足感を得ようとする欲求に基づいている。

参考文献

「動機づけと情動」 今田純雄・北口勝也 培風館

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