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世界モデル(World Models)

世界モデル(World Models)について説明します。

世界モデル(World Models)とは

  • エージェントが、外界からの刺激を元に、外界の構造を学習し、そのモデルを獲得する枠組みを指す。内部モデルや力学モデルとも呼ぶ。
  • このモデルにより、エージェントは実際の環境に関する予測やシミュレーションを行い、将来の行動計画や意思決定に役立てることができる。
    1. 状態の推定: 現在の環境の状態を内部的に再現
    2. 次状態の予測: 現在の状態と行動から次の状態を予測
    3. 環境のシミュレーション: 未来の複数の可能性や行動シナリオをシミュレート
  • ある要因がある時に、どのような刺激が生じ得るのか?(反実仮想ができる)
  • 世界の構造をモデル化しているため、現在の状態と行動を用いて、将来の刺激を予測する(未来をシミュレーションできる)

なぜ今「世界モデル」が注目されているのか?

  • 世界モデルが現在注目されている背景には、AI研究や強化学習の分野におけるいくつかの重要な進展と課題がある。
    1. モデルフリー強化学習の限界
      • 従来の強化学習アルゴリズムでは、エージェントは環境と直接インタラクションを行い、経験を通じて報酬を最大化する方法を学ぶ。しかし、これには大量のデータと計算リソースが必要。
      • 世界モデルを導入することで、以下のようなメリットがある.
        • サンプル効率の向上: 実際の環境での試行錯誤が減り、内部でシミュレーションすることで学習が加速
        • 計画の精度向上: 未来の予測が可能になるため、より高度な計画が立てられる
        • 現実環境とのギャップの削減: シミュレータが現実をよく模倣できれば、現実の行動にも応用が可能
    2. 表現学習と自己教師あり学習の進展
      • ラベルのないデータからも高品質な特徴を学習できるようになった近年の著しい進展
    3. 複雑なタスクへの対応
      • 長期的なプランニングや未知の環境への適応力向上の必要性

世界モデルを構築するには?

  • 観測される刺激(観測データ)が、環境から予測(生成)されると仮定し、その環境を近似するように、世界モデルを学習する
  • 世界モデルでは、観測データを潜在空間にマッピングするエンコーダが重要な役割を果たす。この部分では、自己教師あり学習の技術(例: VAE, Contrastive Learning)が使われることが多い。
  • 世界モデルは、次の状態や報酬を予測するために、潜在表現を効果的に学習する。これは表現学習の一部であり、エージェントがデータから学習した特徴を利用していると考えることができる。
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