マルチエージェントシステム(Multi-Agent System、MAS)とは
- 複数のエージェントが相互に協力、競争、または独立して動作することで、全体のシステムとして機能を達成する分散型のシステム
- エージェントは、独自の目標や行動ルールを持ち、ある程度の自律性を備えたソフトウェアまたはハードウェアの単位
マルチエージェントシステムの特徴
- 分散性
- システム全体が中央の制御装置に依存せず、各エージェントが独立して動作する。
- 自律性
- エージェントは自分の状態や目標に基づいて意思決定を行う。
- 協調性
- 競争性
- 必ずしも協力的でなく、競争しながら行動する場合もある(例:オークションシステム)。
- 適応性
- エージェントが環境や他のエージェントの行動に応じて変化する能力を持つ。
LLMマルチエージェントシステムとは
- LLM(大規模言語モデル)を基盤とする複数のエージェントが協力、競争、または独立して動作することで、複雑なタスクを達成するシステム
- AutoGenは、Microsoftが開発したツールで、個々の役割を持ったLLMエージェントが互いに協力してタスクを解決できるようにするフレームワーク。
群知能(Swarm Intelligence)とは
- 個々のエージェントは単純なルールに従って行動し、全体の知的な振る舞いが自己組織化的に現れるシステム
- インスピレーションは自然界(アリの群れ、鳥の群れ、魚の群れなど)から得られる。
群知能とは何が違うのか?
- マルチエージェントシステムと群知能は、似た概念を含むが別物。
- 前者は、独立した複数のエージェントが協調、競争、または独立して動作するシステム
- 後者は、個々のエージェントは単純なルールに従って行動し、全体の知的な振る舞いが自己組織化的に現れるシステム
- 共通点は、両者とも複数のエージェントが関与し、個々のエージェントの行動から全体的な機能が実現される点や、分散型であり、システム全体が中央の制御に依存しない点。